対談インタビュー
患者1人ひとりに寄り添い、負担を軽減。再生医療の力を信じ続ける整形外科医
今回インタビューにお答えいただいたのは、美容クリニックの看護師とピラティスのインストラクターをされている常深さん。元々は総合病院に勤務されていたそうですが、なぜ美容の道に進もうと思ったのか、さらにはピラティスを始めたきっかけなど、『美』への深い想いをたっぷりと伺ってまいりました。また、転職を始めとした、新しいことへのチャレンジに対するアドバイスもいただきました。
編集者
クラミー
現在の常深さんのお仕事内容を教えてください。
常深さん
今はピラティスのインストラクターと、美容クリニックの看護師をしています。ピラティスのインストラクターは2年前くらいから始めました。今勤めている「mAst pilates studio」という大阪市の上本町にあるスタジオは、1年前くらいにオープンしました。おおよそ週3でスタジオのレッスンに入っていて、それ以外はクリニックで看護師として働いています。
編集者
りょうちゃん
常深さんご自身は、いつからピラティスを始められたんですか?
常深さん
3年前くらいですね。最初からインストラクターになるつもりでレッスンに通いはじめました。
編集者
クラミー
そうなんですね!そのように思われたキッカケは何だったんですか?
常深さん
元々美容クリニックのほうで、ダイエットや脂肪吸引などに関わる業務を担当していたのですが、仮にそれらの効果で痩せることができたとしても、姿勢が悪かったり、正しい筋肉の使い方ができていなかったりして、リバウンドしてしまうお客様をよく見ていたんです。また、年齢を重ねた時に自分の足でしっかり歩くために必要なものって何だろう、ということも含めて考えた結果、「運動」が大事だなと。
編集者
りょうちゃん
なるほど。その思いがピラティスに?
常深さん
はい。当時は栄養に関する勉強も熱心に行っていて、関連資格なども取得していたのですが、単に栄養を意識した生活を送るだけでは将来健康的に過ごすことはできないな、と気づいて。そこから自分で色々とリサーチしてみた結果、ピラティスに行き当たりました。見た目の美しさを意識するだけではなく、自分らしく自然に生きていくためにはやはり運動が必要だなと確信して。そうして、インストラクターの資格を取ることを最初から目的として掲げて、ピラティスの世界に足を踏み入れていった形ですね。
編集者
クラミー
ピラティスって、体力面だけではなくて精神的にも健やかな状態に整えていくことができるイメージがあります。実際に常深さんがピラティスを始められてみて、何か変化は実感されましたか?
常深さん
そうですね…、私は結構メンタルが強いほうなので、元々何かに対して心が揺れて落ち込んだりするということがそこまでなくて。ただ、考え方はとても変わったかなと思っています。
編集者
りょうちゃん
考え方、というと?
常深さん
以前は、〈見た目がすべて〉といった考え方を持っていたんです。ただ、ピラティスを通して、mAst pilates studioの代表でもあるAsakoさんや他のスタッフと出会ってからは、「自分の身体を綺麗で健康な状態にしておけば、ブランド物で着飾ったりする必要はないんだ」と思うようになりました。ピラティスを始めてから変わったね、と主人にも言われます。散財をしなくなったので(笑)。
編集者
クラミー
それはありがたい変化ですね…(笑)!
編集者
りょうちゃん
最初から美容クリニックの看護師として働かれていたんですか?
常深さん
いいえ、最初は大きい総合病院で5年ほど働いていました。
編集者
クラミー
看護師になろうと思ったキッカケはなんだったんですか?
常深さん
母が元々看護師だったので、幼い頃から自分も看護師になるんだと夢見ていたんです。
編集者
りょうちゃん
へぇ…!じゃあ、夢を叶えられたんですね!
常深さん
そうですね。美容のほうに進んだキッカケは、私自身が埋没などの施術を受けていたこと。いざ進んでみたらとても自分に合っているなと思って、今では美容看護師のほうが経歴として長くなりました。看護師が本業ではありますが、mAst pilates studioをAsakoさん達と建てたことで、ピラティスにもより精力的に取り組んでいます。働き方のボリュームとしては半々くらいですが、どちらも本気です。
編集者
クラミー
今後の目標であったり、それを叶えるために、いま何かしていることなどはありますか?
常深さん
はい。私、顔が綺麗なだけでも良くないし、逆に身体が綺麗なだけでも良くないな、とずっと思っているんです。なので、その両方の美を追求できるような施設を作りたいね、とmAst pilates studioを建てた時からAsakoさんとずっと話していて。実は、来年あたりにスタジオに併設する形でクリニックを作ることを目指して、いま少しずつ動き出してはいます。コロナ禍が開けて、脱マスクの動きが大きくなっている中で、「肌のたるみが気になるからマスクを外すのが恥ずかしい」という方もいると思うんです。そういった悩みをもった方をお手伝いするような施設を作りたいと思っています。アンチエイジングを主とした美容クリニックですね。
編集者
りょうちゃん
いいですね!身体と心に加えて、お肌も…オールマイティーにサポートを行ってもらえるってことですよね。私の家の近所に欲しいくらいです!
常深さん
ぜひいらっしゃってください!(笑)私自身、美容クリニックに勤め始めた当時は、いまのような働き方は想像していませんでしたが、30年後の自分について考えた時に、美容クリニックの看護師だけをずっと現役でやっていくことに対して、ふと不安を抱いたんです。「将来的には、きっと自分の力でやっていかなければいけない」と。大好きな美容に生涯をかけて携わりたいと思った時に、「トータルで身体を見られるようになればいいんだ!」と気づいて、ピラティスを始めました。ピラティスを通して出会った方々とこの先もずっと、健康や美容に深く携わり続けていけたらな、と思っています。
編集者
クラミー
美容看護師に向いている素質などあれば、ぜひ教えてください。
常深さん
根本的には一般的な看護師と大きく変わらないんじゃないかなと思います。美容クリニックだと“お客様”、病院だと“患者さん”と呼び方は多少異なりますが、来院された方の身体の状態を改善させるという意味では同じです。病院はマイナスを0にして、美容クリニックは0を10にするといったプラスの施術にはなるものの、お客様や患者さんのケアをするのは共通しています。
編集者
りょうちゃん
なるほど。確かに根底は同じことですよね。
常深さん
はい。加えて美容看護師は、その人自身が「綺麗になりたい」という想いを持っていることは必要かなと思います。「肌を綺麗にする」といった美に対する興味が無かったら、相手(お客様)を綺麗にすることの本当の意味を分かることができないと思うので。自分自身が美容への熱量を高く持ったうえで、頑張ることのできる人が向いているんじゃないかな、と私は考えています。
編集者
クラミー
新しい技術だったり、新しい商品だったり、美容って本当に流れが早いと思います。私自身も色々な情報をよくチェックしているのですが、その中で、先生や看護師さん自身が最新のものに敏感だと、やっぱりクリニックに足を運ぶ側としては説得力を感じられますね。
常深さん
そうですよね、やっぱり診る側が美容に興味関心をしっかり持っているのが一番大事だと思います。
編集者
りょうちゃん
いまの仕事を続けながら副業をやったり、何か新しいことを始めてみたり、はたまた転職したいと思ってはいながらも、「一歩踏み出すことが怖い…」と感じている方に向けて、常深さんならどんな言葉をかけますか?
常深さん
そうですね、私の周りには「美容クリニックに転職してみたい」と思っている看護師の友人が多いのですが、「自分自身を常に綺麗な状態にしておかなければいけないなら、私には無理かも」「毎日化粧なんてできない」と彼女たちはよく口にするんです。とはいえ、先ほどもお話したように、病院も美容クリニックも、「看護師」というベースは一緒。違いを挙げるとすれば、美容に関する新しい勉強が必要であったり、ホスピタリティの面ですね。より丁寧なお客様対応が求められたりですとか。そういった部分のギャップは少なからずありますが、自分が相手を良くしようという気持ちさえあれば、病院から美容クリニックへのジョブチェンジは十分できると思います。
編集者
クラミー
なるほど。美容クリニックはより丁寧なお客様対応が求められる、というのは、具体的にどういった部分で意識されましたか?
常深さん
病院だと、患者さんの割合としては主にご高齢の方がほとんどで。食事介助などの看護業務においても、会話としてはそこまで固くはない言葉遣いが多いんですね。ただ美容クリニックの場合、それこそホテルマンやCAさんなどに求められるような、美しい敬語を使う必要があります。そういった部分では私もかなり違いを実感したので、言葉遣いに関しては改めて勉強しましたね。
編集者
りょうちゃん
確かに、病院だと丁寧さよりも親近感のほうが求められる気がします。
常深さん
そうなんです。さらに言うと、病院勤務だと、売り上げや経営について看護師が考えることってまずないと思うんです。ただクリニックの場合、日々の売り上げはとても意識します。自分たちのお給料にも直結してくるので。とはいえ、売り上げのことだけを考えていたら客足は遠のいてしまうので、必要な技術をお客様1人1人に見合った適正な値段で設定させていただいています。
編集者
クラミー
なるほど。クリニック勤務だと、施術やコストのことなどを常に勉強し続ける必要があるんですね。看護師でありながら、まるで経営者のようにも感じられます。
編集者
りょうちゃん
私の周りだと、医療職に就いている人たちの中で、異業種の職種に憧れてはいるけれども足を一歩踏み出せないという人がとても多くいます。動き出すキッカケは、どのように作っていったらいいと思いますか?
常深さん
最近は変わってきているのかもしれませんが、一度看護師になったらその後もずっと看護師を続けていく人が多いと思うんですね。ただ、同じ場所でずっと働くことってモチベーションの維持が難しいんじゃないかと感じていて。もちろん、その場所で新しい目標を自分で見つけて、目標達成を目指して頑張り続けられるのなら問題ないと思うのですが…。私の場合は、同じ病院で5年働いてきたなかで、次のステップについて考え始めた時、「自分がいる場所はここじゃないかもしれない」と思って、次に進むべき新しい道を探し始めました。ただ、もしそこで「同じ病院でいいや」と進んでいくことをやめていたら、結局そこで成長は止まってしまっていたと思うんです。人生は1回きりなのに、それってとてももったいないな、と。だから私は、興味があることは諦めずに、まずは一度チャレンジしてみる気持ちを常に持っていますね。
編集者
クラミー
お話を聞いていると、様々な出会いを通して縁が結ばれたというか、「なるべくしてなった」という印象をとても強く感じました。まずは自分自身が、目標を持ち続けることが大事なんですね。
常深さん
そうですね。目標がないことが必ずしも悪いとは思わないんですけどね。特に女性の場合、結婚や出産などのライフイベントがあると自分の夢よりも家族のことが優先になりがちだと思いますし。私自身は、結婚していて子どももいますが、それでも諦めきれませんでした。ピラティスをやることも、クリニックを出すという夢も。子どももまだ小さいのですが、家族の助けもあって仕事を続けられています。家庭と仕事を両立させるうえで、周囲の協力は絶対に必要だと思います。たとえ大変であっても、自分自身にやりたいことがあるのなら、やっぱり諦めずに突き進むのがいいんじゃないかと私は考えています。
編集者
りょうちゃん
とっても心強いお言葉…!それでは、最後にもう1つ。「まずは3年同じ場所で働く」といった考え方を持って仕事をしている方が、いまは少なくありません。ただそれは世間体を気にしたものであって、もう少し早い段階で転職を検討したいのが本心として隠れていると思います。そういった方たちへ一言かけるとしたら、常深さんはどんな言葉を選びますか?
常深さん
そうですね。正直、私も少なくとも3年は働いたほうがいいと思います。もちろん、仕事に対してよほど嫌な理由がある場合は別ですし、例えば将来的に美容ナースとして美容系の皮膚科で働きたいという明確な目的があって、そのためにまずは一般皮膚科で1〜2年働いた後にステップアップとして転職をするのは良いことだと思います。ただ、「何となく職場が嫌だから」といったような理由で転職を考えてしまうのは違うかな、と。一般的な看護師であれば、5年くらい働いてやっと一人前レベルだと思うので、その状態にまずは達していないと、自分は結局そこで何をしていたんだろうと感じることになってしまうと思うんです。「師長の人柄が好きになれない」「仕事が面白くない」などの理由で転職を考えているのであれば、もう少し頑張ってみようよ、と私なら思いますね。
【インタビューに答えてくれたのは…】
LaCliniqueOsaka
美容ナース ピラティス講師 常深由美子さん
美容ナースInstagram(https://www.instagram.com/g_ns_tsune/)
ピラティス講師Instagram(https://www.instagram.com/tsuneyu_mastpilates/)
2010年 関西労災病院CCU、手術室勤務
在職中には周術期学会にて脳外科の手術室看護について論文を発表
2015年 湘南美容クリニック大阪駅前院、神戸院勤務
副主任を務める
2019年 銀座長瀬クリニック大阪院(現在LaCliniqueOsaka)立ち上げスタッフとして勤務
アラガンジャパンの外部講師としてクールスカルプティングのマーケティングについてアラガン社にて発表
ハイフの看護師講習を立ち上げ、2023年2月現在で計6回の講習会を全国で行った。
現在は大阪、京都、東京の計4院のクリニックで勤務。
指名は月平均100件に及び、ハイフの施術以外にもトータル美肌治療をメインにお客様の施術を担当している。
2020年よりピラティスインストラクターとしても活躍しており、現在は大阪上本町のmAst pilates studioにて週3回パーソナルレッスンをしている。