何かの病気に罹った時、皆さんはおそらく、「これは風邪だから内科に行こう」ですとか、「足に痛みがあるから外科かな」といった判断をして、近所のお医者さんに赴かれると思います。しかし、実際にその症状が、体のどこに起因しているか、わからないことも多くあります。
そこで、緊急の場合の対応から、健康診断の結果相談まで、初期段階で幅広く行う医療が必要ではないか、という思想で、プライマリ・ケアが生まれました。また、このような診療を行える、各専門分野の知識を広く持った医師を、「総合医」と呼称するようになりました
何でも診るお医者さんである総合医は、まずは一次診療を行い、必要に応じて各科の専門医を紹介します。最初に相談できる医者として注目されており、将来的にも重要視されています。医師の世界では、総合医の人数を増やしていこうという動きもあります。
もちろん、ある領域で、より高度な知識や技術を保有する「専門医」も大切な存在です。どちらが優先か、ということではなく、総合医と専門医、それぞれが適切な役割分担を行い、よりよい医療を一般市民に提供することが志向されています。
総合医と専門医の主な違いとまとめると、以下のようになります。いずれにしても、お医者さんにかかる身としては、総合医による心理的安心感、専門医による身体的信頼感の療法が得られるというのは、大変嬉しい話ですし、健康的な生活が送れる未来を期待できそうです。
・総合医
- 何でも診る相談窓口としてのお医者さん
- 教育を経て各科の幅広い知識を保有
- 時には専門医への橋渡し役
・専門医
- 内科や外科など各科の専門家
- 各分野や領域に特化した専門知識を保有
- 高度な技術を持つその道のプロ的存在
コラム
プライマリ・ケアとは?総合医と専門医の違い
「プライマリ・ケア」という言葉をご存じでしょうか。英語での表記は「Primary Care」ですが、直訳すると、「初期治療」などと訳されます。しかし、実際の意味は少し異なり、「総合的に診る医療」を意味します。