コラム

救急救命士の仕事内容

救急救命士と聞くと消防署の救急車に乗っている人を思われる方が多数だと思いますが、それもそのはず、救急救命士の約66%は救急車の運用を行う消防機関に勤務しています。
しかし、病院に勤務しドクターカーなどに乗車する救急救命士もいます。その他では自衛隊や海上保安官等でも救急救命士の資格を持った方が活躍されています。

救急救命士の仕事内容

現場及び病院への搬送の途中、救急車などの中で、救護行為を行います。また、生命の危険のある病気やけが人に対しては、特定医療行為(医師からの具体的な指示を受け、また家族への説明を行って同意を得たうえであれば、決められた医療行為を行うことができます。これらの条件のもと行える救急救命処置を特定行為(特定医療行為)といいます。)を含む必要な救急救命処置を行います。
その他、救急車の運転や受け入れ病院の手配も救急救命士の仕事になります。
もちろん事務作業もあります。
事務作業の主なものとしては、緊急出動したときに提出するときの報告書の作成です。
報告書の内容は出動先の場所や傷病者の個人情報・症状、その症状を基に救急車内でどのような緊急時の医療行為を行ったのか、そして搬送先の病院などの情報で、いずれも一回出動をするたびに報告書を作成していきます。
さらに、書類の作成のほかには、救急車内の設備確認・整備や体力作りも挙げられます。

救急救命士が出来ること

最近では救急救命士が行える医療行為が増えてきました。
救急救命士は、医師からの具体的な指示のもと、次の5つの特定行為を行うことができます。

・医療器具を用いた気道確保
・心肺機能停止状態にある患者への輸液

・心臓機能停止状態にある患者への薬剤(エピネフリン)投与(英名:アドレナリン、米名:エピネフリンは、副腎髄質より分泌されるホルモンであり、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもあります。ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用などがあります。)

・低血糖発作患者へのブドウ糖溶液の(低血糖症状改善のために糖分補給を行うための物)の投与
・心肺機能停止前の患者への静脈路確保(静脈に針を刺しいつでもそこから薬などを投与できるようにするための医療行為)と輸液

【医師の包括的な指示によって行えるもの】
・小児科 / 産婦人科 / 精神科領域の処置
・心電計や血圧計、聴診器の使用
・吸引器などを用いた異物の除去
・酸素吸入器を用いた酸素投与 など

救急救命士の1日の流れ

ここでは救急救命士の一番多い勤務場である消防署の1日についてご紹介します。

出勤、点呼、点検
前日から勤務していた隊員から引き継ぎをおこない、車両や資機材の点検を行います。

8:30 待機
出動指令が出ると、すぐに現場へ出動します。

12:00 昼休憩
休憩中も、いつでも出動できる体制を整えています。
食事は基本的にご飯ものが多く、緊急出動から戻ってきた後に冷めた丼物などを食べることもあります。

13:00 待機
出動がない時間には、訓練も行います。

17:00 夕食、風呂
待機しながら夕食を食べ、お風呂を済ませます。

18:00
待機出動以外の時間には、報告書作成や統計データのまとめ、救急講習準備など、事務作業も多くこなしています。

23:00 仮眠
深夜の時間帯は、出動指令がない限り仮眠がとれます。

06:00 起床・交代
仮眠が終わったら、この日に当直をする隊員に引継ぎを行います。

以上が救急救命士が最も多く働いている消防署の一日の流れです。
病院勤務やその他の職場で活躍されている救急救命士は各々一日の流れは変わってきます。
どうでしたか?
日々私たちの生命を守ってくれている救急救命士の仕事はこのようになっているのです。

この記事を書いた人

かんちゃん

性別:男性 経歴:看護師歴11年目、2011年看護専門学校卒業、2019年独立行政法人大学改革支援・学位授与機構にて学士(看護学)取得 趣味:野球、ブログ、SNS投稿