対談インタビュー
医療従事者に新たな〈縁〉と〈場〉を提供。志高くコミュニティ運営に勤しむ臨床工学技士
今回インタビューにお答えいただいたのは、フリーの鍼灸師として、美容サロンで施術を行いつつ、企業へ出向いて鍼灸・整体も行っている河谷佑樹子さん。鍼灸師として勉強を重ねてきた日々のお話や、自己実現へ向かう道のり、今まさに頑張っている人へのアドバイスなどを伺ってまいりました。
編集者
クラミー
まずは現在のお仕事内容を教えてください。
河谷さん
現在は鍼灸師をしています。美容と治療のフリーセラピストと、昔から仲のいい方とのサロンの共同経営、企業に出張へ行き、身体に不調がある従業員の方を見させていただくことをメインに施術を行っています。それ以外に、福祉的な活動もしていて、視覚障害の方とイベントを企画するという仕事もしています。
編集者
りょうちゃん
いらっしゃった方の治療と、自ら出向いての施術、イベントの企画運営、と3つの働き方をされているんですね!どのような流れで、いまの働き方に至ったのでしょうか?
河谷さん
とても一般的なスタートですが、高校卒業後に専門学校へ入学したのがはじまりです。朝は整形外科のリハビリ業、夜は飲食のバイトをしながら、専門学校の昼間部に通っていました。
編集者
クラミー
大忙しじゃないですか!そんなことが可能なのですか?
河谷さん
忙しいのが好きみたいで(笑)。専門学校は普通の学校と違い、昼間部と夜間部に分かれているんです。昼間部には、診療がある朝の時間帯と夜の時間帯の間に勉強しに来られている方が多いんですよね。
編集者
りょうちゃん
なるほど。それで河谷さんは朝と夜に時間があったのですね。
河谷さん
そんな生活をしながら国家試験の勉強をしていた時期に、専門学校のクラスで縁のある人に出逢って、とてもよくしていただいたんです。
編集者
クラミー
縁、というと・・・?
河谷さん
喋ってみたら、たまたま地元が一緒で、たまたま同じ高校の先輩だということが判明したんです!その方が、「今働いている治療院が人手足りていないから、手伝いに来ない?就職先決める基準にもなるよ」と声をかけてくださって。どういう働き方をしているんだろう?と、見学も兼ねて働き始めたことをきっかけに、そのまま就職する形になりました。
編集者
りょうちゃん
他の就職先を探す道もあったと思うのですが、なぜそこの治療院を続けたのでしょうか?
河谷さん
そこは、お客さんがめっちゃ来る治療院だったんですよ。一日に200人くらいを、7,8人で対応していました。やっぱりスタートアップの時期には、色んな人を診させていただいて経験を積むことが大事なのかなと考え、そこに就職することを選びました。
編集者
クラミー
とてもハードそうですが、色々な方を診ることで、人それぞれの治療を経験できたのですね。
河谷さん
さらに、その会社では、福祉関係やヨガの授業、お客さんの送迎など、鍼灸柔整業界では珍しいサービスも行っていたんです。例えば、朝と夜の診療の間に、デイサービスに行って機能訓練をしたりとか。おかげで、働いているうちに色々な業種のことがわかるようになりました。
編集者
りょうちゃん
なるほど。さまざまな業種がリンクし、凝縮した会社だったのですね。
河谷さん
はい。別の現場も見させていただくことで、経験を積めただけでなく、幅広い業種の方とコンタクトを取ることもできました。
編集者
クラミー
その会社から、フリーで働いたり、サロンをやったりするようになったのは、何故でしょう?
河谷さん
元々鍼灸師にならなかったら美容師になりたかったんですよ。せっかくなら、女性という立場と、医療という立場で美容に関わることができる、美容鍼灸をやりたかったのですが、当時勤めていた店舗には美容のカテゴリがなくて。そこで、会社に「美容鍼灸をやりたい」と掛け合ったら、ヨガの事業をしている店舗で美容部をさせていただけるという話になり、転勤したんです。でも、それが全然上手くいかなくて、個人に切り替える転機になりました。
編集者
りょうちゃん
美容に関わりたいという想いがきっかけだったのですね!上手くいかなかった、というのは・・・?
河谷さん
転勤先の店舗では、ヨガも、美容も、完全に自分たちだけで運営していたんです。つまり、フライヤーを作ったりECサイトを作ったりと、パソコン業務もセラピスト自身でやらなきゃいけなくて。
編集者
クラミー
なるほど、広告宣伝やクリエイトの部分で困難があったのですね。
河谷さん
はい。独学でやってみたのですが上手くいかず、これはちゃんとやっている人の元で勉強したほうが良い!と思って、会社を退職しました。そのタイミングで、勉強や、普通の鍼灸も続けながら、美容鍼灸の業界にも入っていきました。
編集者
りょうちゃん
やりたいことにまっすぐ進んだ結果、今のかたちになっていったのですね。
編集者
クラミー
美容鍼灸というのは、最初におっしゃっていた美容サロンでされていたのですか?
河谷さん
はい。個人になった時に、十年来の仲であるオーナーが立ち上げた美容サロンで「一緒にやらないか」と声をかけてくれて。そこでお世話になりながら、お客さんを診ていました。
編集者
りょうちゃん
先ほど、“女性として”美容に関わりたかったとおっしゃられていましたが、女性ならではの強みはなんだと思いますか?
河谷さん
もちろん男性を下げる意図はないのですが、やはり女性ならではの細やかな気遣いや、視点が強みになると思います。セラピストは、“癒し”に直結する職業。お客様の悩みを引き出すコミュニケーションや、安心を与える距離感など、女性の強みを活かしていきたいですね。
編集者
クラミー
確かに人に触れる職業ですし、繊細さや安心感が女性の強みになりますね。
編集者
りょうちゃん
会社を訪問しはじめたのは、どのようなきっかけがあったのですか?
河谷さん
実は、成り行きで始まったんです。日々色々な方と出逢いたいと思い、他業種の方と多く交流を持っていたのですが、社長さんや経営者さんの中に、鍼灸に興味持ってくださる方がいて。たまたま、ある社長さんの会社と、私の家がめちゃくちゃ近かったので、こちらから出向いて治療したのが始まりでした。
編集者
クラミー
偶然のご縁が始まりだったんですね!そこからは、横の繋がりや紹介などがあったのでしょうか?
河谷さん
はい。その会社の従業員さんを診たり、他の経営者さんのところに出向いたりしていたら、あれよあれよと増えていきました。
編集者
りょうちゃん
なるほど。現場で勉強と経験を積み重ねながら、ご縁をつないで自分の道を開いたのですね。
編集者
クラミー
きっと困難が多かったと思いますが、その道のりを乗り越えてこられた河谷さんだからこそ、現在勉強をしている段階の方に伝えられるメッセージはありますか?
河谷さん
思い返せば、週6日朝から晩まで働いていて、ハードな日々でしたね(笑)。
でもその日々を頑張ってきたからこそ、“自分ってやり切れる人間なんだ”という自信につながりました。
編集者
りょうちゃん
確かに。乗り越えたものが多いからこそ、きっと人よりも限界地点が高いですもんね。
河谷さん
また、やり切れる自信だけでなく、経験も、新たなステージで役に立ちました。フライヤーの作成や事務作業など、店舗で働きながら独学でやってきましたが、いざフリーになった時に、それを活かした仕事が出来たんです。
編集者
クラミー
一度でもやった経験があれば、さらなる仕事に繋がりますしね!
河谷さん
はい。やってきたこと、働いてきたことが無駄になることはないな、と感じました。だから、今あなたが頑張っていることは無駄にならないよ、と伝えたいです。
【インタビューに答えてくれたのは…】
河谷佑樹子さん
フリーの鍼灸師。
自ら企業へ営業し、企業の福利厚生として社員へ鍼灸・整体を行なっている。
2013年 関西医療専門学校卒
〜2019年5月 有限会社AKメディカル退職
2019年6月 フリーランスへ(訪問鍼灸整体YUKI開設)
2019年11月 鍼灸関連セミナー運営
2020年1月 健康事業運営
2020年3月 being fasting club開設(一般社団法人マクロビオティック発酵食品協会推進)
2020年10月 国際美容鍼灸学会にて論文発表
2023年3月 企業訪問開始
2023年11月 インクルシープパレード主催運営